@article{oai:seisen-u.repo.nii.ac.jp:00001342, author = {山口, 隆介}, issue = {28}, journal = {聖泉論叢}, month = {}, note = {本研究ノートの目的は,トマス・アクィナスによる『聖書の勧めと区分』De Commendatione et Partitione Sacrae Scripturae における「ソロモンの書」の構成につい ての議論を,古代以後トマスの時代までのキリスト教思想史の中に位置付け,その伝統と のつながりと独自性を正確に捉えることである。 研究の手順としては,まず上記著作における「ソロモンの書」の構成についてのトマス による理解を概観する。次いで,トマス以前の時代における「ソロモンの書」の構成につ いての論述に繰り返し現れる表現形式を確認し,トマス以前の時代における「ソロモンの 書」の構成についての伝統的解釈を仮定する。最後に,この伝統的解釈とトマスの理解を 比較し,トマスが伝統的解釈を受け継ぎつつ,独自の前進をなしていること,そして,そ れらがどのような意味で伝統の継承であり,独自性の確立であるかを明らかにする。 研究の結果,トマスが「ソロモンの書」を,この世から浄化される過程に沿って構成さ れたものと見なしていること(①)が明らかになる。そして,この世から浄化されて神に 向かうという図式それ自体はキリスト教外の異教の哲学にも見出しうるという意味での普 遍性の主張(②)が,トマスの理解から引き出しうるということが示唆される。そしてそ れらは伝統的解釈のうちにも潜在していると見ることができ,その意味でトマスの理解は 伝統を継承したものであるが,①についてはそれを明言していること,②についてはより 引き出しやすい形式で論じていることを独自性として評価される。}, pages = {149--164}, title = {トマス・アクィナス『聖書の勧めと区分』における「ソロモンの書」理解 ―伝統との一致と独自の前進―}, year = {2021}, yomi = {ヤマグチ, リュウスケ} }